ヒガンバナ

DSCF6863 DSCF6864田んぼの畦に,ヒガンバナが咲いていました。

なんとも不思議な花です。夏の終わりから秋の初めにかけて,高さ30~50センチの花茎が葉のない状態で地上に突出します。その先に花がつきます。花が散った後には線形の細い葉が出ますが,翌春になると葉は枯れてしまいます。秋が近づくまで地表からは,葉も花も姿を消してしまいます。開花期には葉がなく、葉があるときには花がありません。

名前も不思議です。秋の彼岸ごろに開花することに由来するらしいですが,別の説には,これを食べた後は「彼岸(死)」しかないという説もあるそうです。
全草に毒があり,特に鱗茎にアルカロイドを多く含む有毒植物です。墓地や田畑の畦(あぜ)に多く生えているのは,ネズミ,モグラ,虫などが,その鱗茎の毒を嫌って避けるように人手によって植えられものが多いらしいです。また,一方で鱗茎にはデンプンが多く含まれるために,水に長時間さらし毒を抜けば食用にもなり,飢饉の時の食用にするために畦に植えられたらしいとか。
人の生活に密接に関わってきた植物なのですね。

曼珠沙華咲いてここがわたしの寝るところ  山頭火