福岡の自然366(ソメイヨシノ)

福岡堰のサクラが咲き始めました。このサクラは「ソメイヨシノ」という名前です。オオシマザクラとエドヒガンザクラのかけ合わせ(雑種)でできた品種です。

オオシマザクラは大きな花をつけますが、枝はあまり広く伸ばしません。エドヒガンザクラは枝を長く伸ばしますが、花はそれほど大きくはありません。そこで両種をかけ合わせることで花が大きく、枝を広くはりめぐらすサクラができました。

土手に植えると土留めになり、しかも水面から反射する日光を求めて川面に枝を伸ばします。水面に花びらが散る様は見事です。

自然を愛する日本の文化を感じさせる樹木です。そして福岡の自然を象徴する樹木です。

福岡の自然365(ベニシジミの季節型)

草原に春の芽吹きが始まるこの時期、モンシロチョウとともにいち早く羽化するのが「ベニシジミ」です。春に咲くスイバに卵を産み、夏までには次の世代が羽化します。

 

 

 

初夏に羽化する次の世代のベニシジミは、左の写真のように黒くなります。(図鑑では「夏型」とよく書かれています。上の写真は春に羽化する「春型」です)

 

 

 

これが「スイバ」で、ベニシジミはこの植物を幼虫期に食します。(県南地方ではよく「スカンポ」と呼んでいる植物です)

 

 

 

 

福岡の自然364(モンシロチョウとスジグロシロチョウ)

先日3月16日(土)に、今年はじめてモンシロチョウが飛んでいるのを見ました。チョウは、オスがはじめに羽化し、1週間ほど遅れてメスが羽化し始めます(ほとんどの昆虫はそうですが)。この写真はオスです。

 

 

左の写真は「スジグロシロチョウ」。モンシロチョウとは別種です。飛んでいるところを見るとモンシロチョウと見分けがつきませんが、止まると名前の通り羽の筋が黒いのがわかります。

 

 

 

 

福岡の自然363(ノウルシ)

小貝川は蛇行しており、流れも緩やかです。そのため河川敷は広く、多くの植物の種が流れ着き、多様な植物が芽を出す自然豊かな地です。

左の写真のように冬に野焼きをしてヨシなどを焼いておくと、早春に日差しを受けて、多くの春植物が芽を出します。

 

そのなかの一つがこのノウルシです。たくさん芽を出していました。

 

 

 

 

地温が高いと思われる陽の良く当たる場所では、もう花が咲いているノウルシもありました。(ちなみにノウルシは絶滅危惧種です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福岡の自然362(菜の花あれこれ)

春らしい穏やかな一日でした。小貝川の土手にいくと、アブラナがもう咲き始めていました。

 

 

 

 

 

小貝川の菜の花は「アブラナ」と「セイヨウカラシナ」の2種類あります。この花はアブラナではなく、セイヨウカラシナです。

 

 

 

 

アブラナは左の写真のように、葉が茎を抱くようについています。

 

 

 

 

セイヨウカラシナは左の写真のように葉が茎を抱きません。

皆さんの近くに咲いている菜の花はアブラナでしょうかセイヨウカラシナでしょうか。つくばみらい市の宅地や畑地の近くは、セイヨウカラシナの方が多いかもしれません。

 

福岡の自然360(オオバン)

沼や池にいますが、カモの仲間ではありません。泳いだり、潜ったりすることはできますが、地上を歩いて餌をとる姿もよく目にします。カモよりも陸に近い場所をすみかにしている感じです。

 

 

くちばしと額の部分が白いのが特徴です。この部分が赤いのは「バン」という別の種類です。

福岡の自然358(キンクロハジロ)

カモの仲間の多くは、シベリアなどの北の地方から飛来します。よく潜って餌をとるカモとあまり潜らずに水面の水草などを食するカモがいます。キンクロハジロはよく潜るカモです。このキンクロハジロは単独で小貝川河川敷の池に来ていました。

福岡の自然356(ヤマガラ)

 

 

 

 

 

 

冬になると、社寺林や雑木林などに群れて飛来している姿を時折見ることができます。橙色をした胸・黒と白の頭部、艶やかな色彩できれいな野鳥です。

 

 

 

 

 

 

落ち着きなくよく動きます。神社のおみくじをひく芸をする「おみくじ鳥」は、このヤマガラです。

福岡の自然355(ハンノキを食するミドリシジミ)

昨日掲載したハンノキを幼虫時代に食するチョウです。ハンノキの林がないと生きていけないチョウです。羽の表は緑や青、紫に光る金属光沢のきれいなチョウです。6月にだけ成虫は羽化し、しかもハンノキの樹上を飛ぶことが多いので、なかなか目にすることはできないチョウです。

 

 

羽の裏は金色をしています。つくばみらい市では河川敷や湿地のハンノキ林で細々と発生していますが、近隣市町村では絶滅に瀕しているチョウです。

福岡の自然354(ハンノキ)

葉を落としたこの時期に、実のようなものをつけた樹木を谷津田の近くや湿地で見ることができます。地方によっては昔は刈り取ったイネを干すときに使った樹木だそうです。ハンノキといいます。

 

 

赤い矢印が雌花、黒い矢印が雄花です。

 

 

 

 

 

 

これは昨年秋に熟した実です。松ぼっくりのミニュチュアのようです。