失敗を恐れず 前に進む ~入学式に寄せて~

 春の息吹きにつつまれ、あらゆる生命が、躍動感に溢れる このよき日 入学式を迎えられたつくばみらい市立伊奈中学校百七十九名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして、保護者の皆さま、お子様のご入学を心よりお喜び申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、今日からは伊奈中学校の生徒です。ただ今、担任の先生から一人一人名前を呼ばれ、しっかりとした、その返事と態度を見て、その姿勢の中に「中学生として頑張ろう」という意気込みを感じました。今日のこの思いを忘れず、多くの友だちや先生との出会いを大切にして、誰に対しても思いやりの心をもって、明るく意欲的に学校生活を送ってほしいと思います。

 すでに皆さんご承知の通り、中学校における学校生活は、小学校のときと比べていろいろな違いがあります。それぞれの教科の授業は、全てその教科の専門の先生が担当し、専門的で深い学習をします。それは、言い換えれば、それぞれの教科の魅力や学ぶことで感じられる面白さや楽しさが膨らむということです。

 その他にも、部活動や、職業についての学習、高等学校についての学習など自分の将来について、考える機会も多くなります。

 こうした新たな学習が皆さんを待っています。みなさんの中には、期待とともに、多少、不安に思っている人がいるかも知れません。

 でも、大丈夫です。分からないことや、不安なことがあれば、上級生や先生方に聞いたり、相談したりしてください。上級生も先生方も、皆さんを心から応援します。

 さて、入学するにあたり、新入生の皆さんに心に留めておいてほしいことを一つだけお話します。

 それは、「様々なことに対して一〇〇点満点ではなくてもかまいません。しかし、様々なことに一〇〇%がんばって欲しい。」ということです。

 皆さんが、これから中学校で生活する中で、百点満点を期待されたり、

「百点満点を取りたい。」

という気持ちがあると思います。しかし、これはなかなか難しいことです。勉強でも部活動でも結果が出た後に、「もう少しがんばれた。」とか、「もう少しこうしておけば良かった」と、反省するよりも、「一〇〇%がんばった」と自信をもって言えるように心がけて欲しいと言うことです。

 そして、日本の元プロ野球選手の長島茂雄さんが、自分に対してこんな言葉を残しています。それは、「挫折してもプライドは失わない。それは努力をしているからだ。」という言葉です。結果がうまくいかなかったり、失敗したりしても、みなさんも、プライドは失わないでください。それは、あなたが百%努力をしているからです。そして、様々なことに挑戦して、失敗を恐れず、前に進む努力をしてください。

 保護者の皆様、お子様の中学校生活は、人生の土台を築く、大切な三年間だと私は考えております。そのお子様の大切な時間を預かる身として 責任の重さに、身が引き締まる思いです。本日から全職員で協力して子どもたちの成長に力を尽くします。

 結びになりますが、ご多用の中ご臨席を賜りました保護者の皆様には重ねてお礼申し上げますとともに、伊奈中学校を代表して、お祝いの言葉とさせていただき、学校長式辞といたします。

令和四年四月七日

つくばみらい市立伊奈中学校長 長塚和徳