送辞
中通川にかかる 伊奈中橋を渡る際、 足先まで冷え切るような寒さの冬もようやく過ぎ去りました。柔らかな早春の日差しの中、新たな芽吹きを迎えようとしている草木や小風。その全てが先輩方の卒業を祝っているようです。卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます、在校生を代表し、心よりお祝 い申し上げます。
先輩方と過ごした日々には語り切れない程、 素晴らしい思い出が沢山つまっています。その全てが 私達ひとりひとりの胸に刻まれています。
先輩方の入学式は、新型コロナウイルス感染症予防のため、二回に分けて行われました。そのことにより、今まで当たり前に行われてきたことのありがたさを改めて感じることができました。
三年生の五月の修学旅行、一年生や二年生の頃よりも感染症は落ち着き、制限のないありがたい行事を心から楽しんだことだと思います。
六月の総合体育大会、先輩方の引退試合 でした。満足な結果だったり、悔しい思いをした 全力で戦う先輩方が私達在校生には とてもかっこ良く見えました。
十月の体育祭・最初で最後の縦割りの体育祭でした。先輩方もはじめての試みの中、競技の企画、運営やクラスを超えた応援団の編成など、私達を引っ張って大成功に 導いていましたね。唯一、先輩方と一緒に活動できたイベントで、他のイベントとは比べ物にならないくらいの熱い思いが伝わってきました。
最上級生としての有り方を学ぶことができた、 たいへん良い経験となりました。
十一月の稲穂祭では旧生徒会の先輩方や実行委員の先輩などに様々な場面で助言を頂いたり、手を差しのべて頂いたりと、たくさんお世話になりました。
また、合唱では、迫力のある心動かされる歌声、気持ちを沢山込めた大きな指揮けんばん一つ一つに想いをのせたピアノの伴奏。私達在校生はその全てに心惹かれ、あこがれを感じました。
有志の学習発表では、それぞれの教科で学んだことを生かし、たくさん楽しませて 頂きました。
先輩方から私達は、はじけるような元気、最後まで諦めない姿勢、伊奈中生としての伝統を受け継ぐ思いを見て学んできました。先輩方はいつも私達在校生に「手本」を示して頂きました。
私達も伊奈中生として先輩方のような、「強く、正しく、美しく」の揃った最上級生を 目指していきます。
最後になりますが、先輩方はこれから、 それぞれ違うステージで活躍することと思います。それぞれが違うステージに立っていても、この伊奈中学校で学んだことは先輩方の支えになるはずです。
挫折しそうになっても 先輩方はこの伊奈中学校の卒業生です。そんな誇りを持って堂々と前に進んで行かれることを願っています。 その先に、大きな喜びと希望が満ち溢れていることを在校生一同、心よりお祈り申し上げます。
皆様のご活躍とご多幸を祈念して、送辞と致します。
令和六年三月十一日
在校生代表