不登校の子どもたちを新たに生み出さないために ~生徒指導研究部研修会~

「ほかの小学校の子どもたちと交流するのはどうでしょう。」

「秋祭りに関わっていただいたり、ゲストティーチャーをお願いしたりして、保護者同士がかかわれる場をつくるのは。」

 つくばみらい市内の小中学校の教員が、学校に来ることができない子どもたちを新たに生み出さない、魅力ある学校づくりについて、話し合っている。

 

 12月16日(金)15時過ぎ、第一理科室では、つくばみらい市教育研究会の生徒指導研究部員の研修会が開かれていた。

 研修では、小規模校であるみらい小学校、さくら小学校、なのはな小学校、みらい中学校、大規模校である林蔵小学校と林蔵中学校という架空の学校が設定され、参加した教員が勤務校での実践を踏まえて意見を交わした。

 

 研修を企画した生徒指導研究部の部長は、

「コロナ禍でオンライン研修が増えてきたが、市内の小中学校で生徒指導を担当する教員らが顔を合わせ、各校での取組を踏まえて、増加している不登校児童生徒への対策や、校則の見直し等について、協働的に学ぶ場を設定したかった。」

と話す。

 

 つくばみらい市教育委員会の生徒指導担当の指導主事は、

「つくばみらい市においても、登校することのできていない子どもたちが増えている。学校に来ることのみを目的とするのではなく、誰一人取り残されることなく、学校内外の機関で相談や指導等が受けられるよう、各校でチームで対応していただきたい。」

と参加した教員らを鼓舞した。

 

 研修を終えた教員は、

「市内の他校の実践を知る貴重な経験となった。」

「後半の4つの中学校区ごとに校則の見直しについての話合いは盛り上がり、時間が足りなかった。中学校区の小中学校の生徒指導担当の集まりが今後もあるとよいと感じた。」

と話し、会場を後にした。

自分の思いを伝える ~「ジグソー学習」の研修~

「3人グループになって、資料から読み取ったことを、同じグループの2人に説明してください。」

11月28日(月)16時20分。職員室では、教職員研修センターで「ベテラン教員研修」を受講した教員が講師となり、「ジグソー学習」の研修が行われた。

「ジグソー学習」は、アメリカの社会心理学者エリオット・アロンソンが提唱した、学習者同士の協力や教え合いを促進し、それを通して学びを得るという共同学習を活用した学習方法。

 小中一貫教育の一環として、1日研修に参加した学区内の小学校の先生も、研修に参加した。

「中学校の授業を1日参観できたことに加え、研修にも参加でき、有意義な一日でした。」

と話していた。

 

「生徒が自分の本気持ちや意見を言い合える学級づくりをすることが、学力向上につながる例が紹介され、今日の研修でそれを実際に体験した。明日からの授業に、取り入れてほしい。」

と長塚校長。

生徒とのかかわりを見直すきっかけとなった ~スクールカウンセラーによる研修

「動物が敵に襲われたときに、考えるよりも生き延びるために筋肉を働かせることを『闘争/逃走反応』と言います。人間も基本的には同じですが、対人関係のストレスにもこの反応が起き、心身の不調が慢性化したり、悪化したりします。」

 

 

 8月3日(水)午前9時30分、第2理科室で、本校のスクールカウンセラーが講師となり、研修を行いました。

 教員からは、

「学級が生徒にとって『安心安全』な場になるために、わたしたち教員ができることは何か。」

という質問に対し、スクールカウンセラーは、

「リラックスする時間を取ることです。深呼吸だけでもよいのですが、コロナ禍では難しい。全身に力を入れて、力を抜くことを繰り返したり、何かの音に耳を澄ましたりということでも、リラックスすることができます。」

と答えました。

「人間にとっての安心安全は、慣れ親しんだ人が周囲にいて、ゆったりとした笑顔で活動している状態、という話が心に残りました。家庭の中で、学校でどのように振る舞えばよいのか考えさせられました。」

「『勉強しないと高校に行けないよ』ではなく『勉強して、高校へ合格しよう』と肯定文で働きかけるという話。これまでの生徒との関わりを振り返りました。」

と研修を終えた教員。

 長塚校長は、

「いそがしい日々を送っていると、生徒どうしのトラブルが起きた時に、限られた時間の中で解決しようとするあまり、生徒の感情に寄り添うことが抜けてしまいがち。今日の研修内容を意識して、今後の生徒との関わりに生かしてほしい。」

とまとめました。

 なお、この研修は、学区内の4つの小学区にもオンラインで配信され、小学校の教職員も共に学びを進めました。