卒業生『答辞』
教室の窓から見える風景や外から聞こえる音にも，春の訪れを感じられる季節となりました。３年前，私達は，慣れない制服とこれからの中学校生活に様々な思いをまとい，この谷和原中学校に入学してきました。
振り返ってみると，今日までの３年間はあっという間で，『卒業』という実感はあまりわきません。ですが，その中で先生方に指導を受け，たくさんの事を学びました。また何より，かけがえのない友と出会い，共に学び，共に笑ってきたおかげで充実した３年間を過ごすことができました。
そんな友とスキー学習に行き，ペンションで過ごした時間は，今でも記憶が鮮明によみがえるほど濃いものでした。皆で様々な事について語ったり，笑ったり，歌ったり・・・。スキーの技術はもちろんですが，人としても大きく成長することのできた貴重な３日間でした。
２年生になり，働くことの意識について深く考えるきっかけとなった職業体験。実際には裏方の仕事を体験した人が多いかと思いますが，そこから何か得た物があるという人も多いはずです。この経験は将来の私達の人生で大いに役立つことでしょう。 ２年生の時の過程が例年より早く終了し，クラスの仲間との突然の別れを悲しむ暇もなく３年生になった私達。全てに『最後の』がつく，３年生の貴重な行事は，新型コロナウイルスによってなくなった物が多くあります。
『３年生になったら，体育祭で団長になりたい。』『３年生なったら伴奏者，指揮者として穂緑祭で優秀賞をとりたい』『３年生になったら部活で活躍して先輩達が成し遂げられなかった目標を自分達が達成したい』。そんな思いを抱いていた人も多くいたと思います。ですが，その夢はコロナという目に見えない，文句すら届かない相手にこわされてしまった。自分も悔しいです。生徒会長としてみんなとみんなが楽しめる行事をつくりたかったな。もっともっと学校生活を盛り上げるための活動をしたかった。これが正直な気持ちです。
振り返れば，思い通りにいかない悔しさをかみしめ，我慢する事を強いられた出来事は数えきれないほどあったと思います。でも，その中で『スポーツフェスティバルを運営してくれたのは』『修学旅行を企画してくれたのは』『部活動の最後の大会を設けてくれたのは』『今日，この式に来てくれたのは』『今ズームで私達を見守り，この美しい会場をつくってくれたのは』『今日はいませんが，私達を事あるごとに応援し，支えてくれたのは』『私達が苦しいとき辛いときそばにいてくれたのは』・・・誰ですか？私はできなかった事よりも，このような状況の中でも楽しい日々を過ごすことができた事に感謝しています。また，明日が保障された当たり前が幸せである事に改めて気付けたことに。
先生方，３年間ありがとうございました。先生方に３年間言われ続けてきた『誰からも愛される学年』に私達は，今，なれていますか？これからも誰からも愛される私達でありたいと思いますので，どうか温かい眼差しで見守っていてください。
在校生の皆さん。みなさんと過ごした日々は，私達にとってかけがえのないものとなりました。ありがとうございます。次は皆さんの番です。どうか私達を超える存在になってください。期待しています。
そして，家族の皆様。今日まで私達をそばで見守り支えてくれて本当にありがとうございました。心配や迷惑をかけたこともありましたが，そんな時にそばにいてくれた皆様には感謝してもしきれません。ずっと続くと思っていた中学校生活もいよいよ今日で終わりです。私達はまだまだ未熟ですが，この３年間で得た経験を胸に，それぞれの道へと歩んでいきます。『試練は乗り越えられる人にしか与えられない』。乗り越えられる私達だから，試練があたえられたのだと私は思います。辛いことも苦しいこともありました。でも，それをみんなで乗り越えたから，成長してこられたのだと思います。
私はそんな学年の仲間にいることができて，この試練多き年の生徒会長になれて，全員で卒業することができて幸せであり誇りに思えます。
３年間本当にありがとうございました。
卒業生の代表生徒より
※この原稿を打ちながら，涙がいっぱいになりました。一生忘れられない素敵な『答辞』でした。
３年生の皆さん。皆さんに出逢えて本当に良かった。ありがとう。幸せな人生を歩んでくださいね。いつまでも，応援しています。何かに悩んだり，躓いたりした時にはいつでも谷和原中学校に戻っておいで！
