おばあさんに学ぶ
愛媛県今治市立西中学校の生徒の作文より
先日,ある雑誌を読んでいたらこのような内容の文章が掲載されていました。
私の家のすぐ近くに,バス停があります。そこには,ゴミ箱が置かれています。そのゴミ箱は,2,3日前から倒れたままで,中のゴミがたくさんこぼれておりました。
でも,近所の人も,私の家族も,そのゴミ箱を起こそうとは思っていませんでした。というのは,そのゴミ箱の中には,かさ・空き缶・空き瓶・その上,犬のふんの入ったナイロン袋なんかあって,とってもきたなかったのです。私もきたないなあと思いながら避けて通っていました。
ところがある日,私が部活から帰ってくると,ゴミ箱がきちんと起こされていました。「どうしたのだろう?」と思って,ふと見ると,バスを待っているらしいどこかのおばあさんが,一生懸命ゴミを拾っていたのです。私は,ちょっとどきっとしました。
おばあさんは,私の顔を見て,「お帰り,おそくまで大変ねえ」と,声をかけてくれました。私はなんとも言えず,すがすがしい気持ちになりました。見知らぬ人が,親切に声をかけて,しかもゴミまで拾ってくださっていたからです。私は恥ずかしさで急に顔が赤くなっていくのをおぼえました。
自分は何もしていなかったことに気付いたからです。私は,「家の前なのにどうもすみません。」と,おわびを言うのが精一杯でした。
ところが,そのおばあさんは,「いいのよ・・・気にしなくたって」と,逆に私をなぐさめてくださったのです。私はおばあさんの心づかいが嬉しくなりました。みんな臭いと花をつまむような生ゴミだろうと,犬のふんだろうとおばあさんと一緒に拾いました。最後に心から「ありがとう」と,おばあさんにお礼を言いました。
するとまた,「どういたしまして・・・あなたは親切な子どもですね。」と,言葉を返してくれたのです。私は,あのおばあさんに会って,何だか心が洗われたような気になりました。おばあさんの一件があってから,私はそのゴミ箱のまわりがきたない時は,
努めてきれいにするように心がけています。そうすることが,おばあさんの親切にこたえることになると思っているからです。
私は,これからあのおばあさんの心の豊かさ,温かさが身に付くように努力していきたいと思っています。「小さな親切」が,さりげなくできる人を目指して・・。
※自分たちが生活している学校も,これからもきれいにしていきたいものですね。